〔アートな時間〕映画 逃げた女 平穏の陰の不穏を描きつつ より奥深い陰翳に手を伸ばす=芝山幹郎
エコノミスト 第99巻 第22号 通巻4702号 2021.6.8
掲載誌 | エコノミスト 第99巻 第22号 通巻4702号(2021.6.8) |
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ページ数 | 2ページ (全1225字) |
形式 | PDFファイル形式 (1171kb) |
雑誌掲載位置 | 92〜93頁目 |
そよそよと風が吹いているような気がする。鳥の鳴き声も、かすかに聞こえてくるようだ。ただし、快晴ではない。強い光と濃い影が交錯するわけでもない。むしろ薄曇りだ。風景は穏やかで、出てくる人々もおっとりして見えるが、どこかに陰翳が蹲(うずくま)っている。 ホン・サンスの新作「逃げた女」には、そんな気配が漂う。あ、またか、と感じる人はいるかもしれない。平穏の陰の不穏という表現に赴く映画作家は、世に少なく…
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