〔書評〕読書日記 憂鬱な雨の日々に読む 旅に生きた作家の足跡=楊逸
エコノミスト 第96巻 第30号 通巻4561号 2018.7.31
掲載誌 | エコノミスト 第96巻 第30号 通巻4561号(2018.7.31) |
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ページ数 | 1ページ (全1387字) |
形式 | PDFファイル形式 (204kb) |
雑誌掲載位置 | 55頁目 |
×月×日 雨。玄関に大木の幹くらい太く束ねて放置していた傘は、いつのまにかなくなっていた。梅雨─露。焦り始めた途端、鼻の先にもじんわり湿気がのぼるのだった。 憂鬱になりがちな気持ちで、『アレクシス あるいは空しい戦いについて とどめの一撃』(マルグリット・ユルスナール著 岩崎力訳 白水社、3400円)を読む。自分の気持ちにマッチしたようなしないような物語に、不思議な味わいも愉(たの)しい。 本書は…
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