〔連載小説〕三度目の日本２０２７／１２　堺屋太一
エコノミスト　第９４巻　第１４号　通巻４４４３号　2016.3.29

この記事の情報
掲載誌	エコノミスト　第９４巻　第１４号　通巻４４４３号（2016.3.29）
ページ数	2ページ　（全2695字）
形式	PDFファイル形式　（480kb）
雑誌掲載位置	５４〜５５頁目

四　仕方の訂正では済まない（１）「縮む日本……」「遠州の兄貴、身体の具合が悪いらしいよ」　二〇二六年三月二一日、三連休の中日の土曜日、東京文京区音羽の小久保平治(へいじ)の自宅マンションに来た父の昭次(しょうじ)は、一六畳のリビング中央の食堂セットに腰掛けるなり、そういった。昨日の休日に、浜松北郊の伯父を自宅に見舞ってきたのだ。　この日は春休みの土曜日、京都の私大に通う一人息子の好一(こういち)も…