〔特集〕「期待」の経済学　リフレ派の主張　「恐慌研究」が生み出した異次元緩和＝矢野浩一
エコノミスト　第９１巻　第３９号　通巻４３０４号　2013.9.10

　読者の多くは世界史の授業で1930年代、米国の大恐慌からの脱出は、ルーズベルト大統領が実行したニューディール政策によって実現されたことをご存じだろう。その中で効果的だったのは、「テネシー川流域開発公社（TVA）」などによる公共事業を中心とした財政政策によるものだと学んだ方は少なくないに違いない。　しかし、かつての常識は現在のマクロ経済学の中では修正されており、研究者の間ではケインズ政策（財政政策…