私のこの一冊　不幸のなり方を通じて、幸せになる方法を教えてくれる　ポール・ワツラウィック『希望の心理学』　（福嶋路　東北大学大学院経済学研究科教授）
一橋ビジネスレビュー　2014SUM　2014.6.16

世の中には多様な「幸せ」や「理想」があり、人々はそれを求めて奮闘している。しかし、そのような個人の涙ぐましい努力にもかかわらず、知らず知らずのうちにもっと悪い事態に陥っていくことがある。そこから抜け出るために１つのヒントを与えてくれるのが本書である。著者のポール・ワツラウィックは、アメリカのパロアルトにあるメンタル・リサーチ・インスティチュート（ＭＲＩ）に所属した、心理療法の構成主義の主唱者であり…