〔特集〕東芝と経産省　失敗の本質　沈黙する経産省と首相官邸　国策で東芝を踊らせた官僚のおごり
エコノミスト　第９５巻　第２４号　通巻４５０５号　2017.6.20

　日本に「原子力ルネサンス」の風が吹き荒れる前夜の２００２年７月──。経済産業省事務次官のポストに、村田成二氏（１９６８年入省）が就いた。村田次官は、それまでタブーとされてきた「電力自由化」や核燃料サイクル見直しに着手。04年春には、同省の若手官僚が、核燃料サイクルを続けた場合の膨大な国民負担を告発する文書「19兆円の請求書」を作り、霞が関や永田町で話題になった。　しかし、村田氏の任期が04年６月…