〔景気観測〕株高と実体経済が乖離　貿易赤字減るも輸出入ともに企業が不利＝藻谷俊介
エコノミスト　第９３巻　第２２号　通巻４３９９号　2015.6.2

　新年以降、米中の景気が大きく減速する中で、ひたすら上昇を続けてきた世界各国の株価は、今、実体経済との乖離(かいり)で大変難しい局面に差し掛かっている。もちろん強気論はいろいろと言えるだろう。しかし、株価が最終的には企業業績を反映せざるを得ないことを忘れてはなるまい。さまざまな楽観的見解の中で筆者が問題にしたいのは、貿易赤字の減少や交易条件（輸出価格の輸入価格に対する相対的な伸び）の改善を、企業業…