新刊書評
プレジデント　2021.3.19号　2021.3.19

森　功　著『鬼才　伝説の編集人　齋藤十一』　新潮社に君臨した齋藤十一の名は、出版人なら誰もが知っている。しかし、面識のあった人は少ない。社員ともほとんど口を利かず、政治家や財界人との付き合いは皆無。山崎豊子、吉村昭、柴田錬三郎など、目をかけ育てた多くの人気作家とも、プライベートで会うことは滅多になかった。　毎週金曜日、「二十八号」と書かれた重役室に腰を据え、週刊新潮の次号に掲載する６本の特集テーマ…