一念発起〜瓦葺利夫　松屋フーズ社長
日経ベンチャー　第197号　2001.2.1

　私が、経営者として最大の危機に直面したのは、牛めし店の出店を始めて一七年目を迎えた一九八五年のことだった。　この年、当社は、大手外食チェーンの幹部を顧問として迎え入れた。彼は前の会社で出店計画を立案していた人物で、店舗数がようやく三〇店を超え、全国展開に打って出ようとしていた当社にとって、貴重な戦力になるはずだった。　しかし、私より二歳年上のその顧問は、一カ月もすると勝手に現場に指示を出し、陰で…