〔書評〕歴史書の棚 正統性とはなにか? 南北朝めぐる研究を読む=今谷明
エコノミスト 第101巻 第31号 通巻4806号 2023.9.5
| 掲載誌 | エコノミスト 第101巻 第31号 通巻4806号(2023.9.5) |
|---|---|
| ページ数 | 1ページ (全966字) |
| 形式 | PDFファイル形式 (306kb) |
| 雑誌掲載位置 | 56頁目 |
1910年の大逆事件と前後して起こった“南北朝正閏(せいじゅん)問題”は、明治末期の学界だけでなく、広く教育界、メディア、政界を巻き込んだ大事件であった。その結果、今に続く皇室の先祖は正統ではなく、滅びてしまった傍系の皇統が正統とされる、世界の王権史上例をみない奇妙な判定が政治的に決着したのである。 以降教科書では「吉野朝」なる呼称が強制されたが、終戦後は一層奇矯な事件が起こった。「正統であった…
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