〔書評〕『時代の「見えない危機」を読む　迷走する市場の着地点はどこか』　評者・上川孝夫
エコノミスト　第９８巻　第２７号　通巻４６５８号　2020.7.14

　◇著者　黒瀬浩一（りそなアセットマネジメント チーフ・ストラテジスト）　慶応義塾大学出版会　２７００円　◇短・中・長波の3層構造で金融情勢を読む　平成時代の30年は「失われた30年」とも言われるが、この時代に金融業界に身を置き、幾多の荒波を経験してきた著者が、自らの体験をもとに執筆した現代経済・金融論である。本書で著者が強調するのは、「歴史は繰り返す」ということだ。したがって、歴史に学ぶことは、…