〔書評〕読書日記 「神経」のような繊細さが描く「草の刃」の短編集=楊逸
エコノミスト 第98巻 第24号 通巻4655号 2020.6.23
| 掲載誌 | エコノミスト 第98巻 第24号 通巻4655号(2020.6.23) |
|---|---|
| ページ数 | 1ページ (全1386字) |
| 形式 | PDFファイル形式 (279kb) |
| 雑誌掲載位置 | 49頁目 |
×月×日 春らんまん。花草がいくらきれいに咲き誇っていても、例年のように楽しめないのはつらい。コロナ疲れで、何をする気も起きないが……。 しかし時間は決して経過することを怠ったりしてくれない。まるで「破壊を糧に蔓延(はびこ)る、無数の草の刃」のようではないか。『草地は緑に輝いて』(アンナ・カヴァン著、安野玲訳、文遊社、2500円)のそんな帯文を目にしてふと思うのだった。さっそく「本邦初訳」のこの…
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