〔アートな時間〕映画　ローサは密告された　中年女の受難の一昼夜　スラム街の混沌を丸ごと写す＝勝田友巳
エコノミスト　第９５巻　第３０号　通巻４５１１号　2017.8.1

この記事の情報
掲載誌	エコノミスト　第９５巻　第３０号　通巻４５１１号（2017.8.1）
ページ数	2ページ　（全1126字）
形式	PDFファイル形式　（925kb）
雑誌掲載位置	１１２〜１１３頁目

　フィリピン映画が熱い。日本ではあまりなじみがないけれど、力作が次々と作られて、各地の映画祭で引っ張りだこ。フィリピンの今を題材にした物語が新鮮だし、異国情緒も漂う。なにより画面の熱気と圧力がケタ違い。「ローサは密告された」はその筆頭格、ブリランテ・メンドーサ監督の最新作だ。主演のジャクリン・ホセがカンヌ国際映画祭で主演女優賞を受賞した。　映画の冒頭、手持ちのカメラはスーパーでレジ係と些細(ささい…