〔連載小説〕三度目の日本２０２７／７　堺屋太一
エコノミスト　第９４巻　第８号　通巻４４３７号　2016.2.23

二　三度目の日本（３）「二つ目の仕事」を「二度目の日本、つまり『戦後日本』が既に敗戦してるとしたら、どないしたらええんですか。もう一回、黒船かジープに乗ったアメリカ兵が来んとあかんのですか」　司会役のニューハーフ・津田有夢が訊ねた。長い白いドレスに紺色のスカーフ、真珠のイヤリングで黒髪をきっちり結い上げている。「いや、そんなんは来ませんよ。今の日本には外国を招き寄せるほどの魅力がないから」　大阪都…