〔書評〕歴史書の棚　“門外漢”が著した時宗研究の凄み＝今谷明
エコノミスト　第９２巻　第５０号　通巻４３７２号　2014.11.25

この記事の情報
掲載誌	エコノミスト　第９２巻　第５０号　通巻４３７２号（2014.11.25）
ページ数	1ページ　（全915字）
形式	PDFファイル形式　（240kb）
雑誌掲載位置	５８頁目

　専門家の本というのは概して面白くない。視点・視角が専門分野に固定していて、物の見方に恐ろしくこだわっている。このようないわゆる“専門バカ”については、つとに兼好法師が『徒然草』で戒めているところだ。したがって、ややもするとひどく偏った狭い範囲で羅列的に著された本が多い。特に日本史関係のものにその傾向が著しい。　しかるに、他分野専攻の学者で歴史を記された著作には、右のような弊がなく、幅広い見方が披…