〔学者に聞け！視点争点〕消費増税でも社会保障は充実しない＝高端正幸
エコノミスト　第９１巻　第４３号　通巻４３０８号　2013.10.8

　◇歳出削減の対象は社会保障と地方財政　消費税増税の実施に関する判断時期が迫るにしたがって、メディア、論壇における財政論議が増税の景気や金融市場へのインパクトなどに集中し、狭小さを増した感がある。そもそも、財政とは共同のニーズを満たすべく、負担を分かち合う仕組みである。しかるに増税は、公共サービスの充実を図るための手段である。　しかし、昨今の日本ではそうならない。財政危機が叫ばれ、財政再建のための…