〔書評〕話題の本　『鎖国シンドローム』他
エコノミスト　第９０巻　第５１号　通巻４２５９号　2012.11.20

　◇『鎖国シンドローム』榊原英資著　集英社　1680円　榊原元財務官は国際通貨交渉の最前線で戦った人だが、最近は「日本的なもの」への関心が非常に強い。日本の特殊性への考察を進めて行き着いたのがこの鎖国論だろう。「日本は鎖国と開国を繰り返し、開国時に吸収した中国、欧米の文化、政治・経済システムを鎖国時に日本流に変えながら吸収し、日本の独自文化を花開かせた」との論だ。日本は今また鎖国のメンタリティーに…