ピンチの後にチャンスあり〜シャルマン　堀川馨会長
日経トップリーダー　第358号　2014.7.1

　「あと半年だけ、私に時間をください」──。そう懇願する社員を前に、私は困惑していました。今から９年前、２００５年のことです。　当時、私が経営するシャルマン（福井県鯖江市）は、「ニッケルを使わない形状記憶合金」の開発に挑んでいました。　もともとは兄が創業した零細な眼鏡部品メーカー。その経営を引き継いだ後、眼鏡フレームの製造に進出し、輸出も手掛ける大手に成長させました。しかし、１９９０年代から中国製…