孤高の美学　池森賢二　ファンケル名誉会長〜倒産して思い知った　「優しさ」と「したたかさ」のバランス
日経ベンチャー　第257号　2006.2.1

　３０年ほど前のこと、脱サラして仲間と作った会社を倒産させました。手形を落とす金を工面して銀行に着いたら３時を数分過ぎていて、二度目の不渡り。その瞬間は銀行を恨うらみましたが、３日後には、逆に感謝していた。「倒産すると、こんなに熟睡できるのか」と。　手形の恐怖というのでしょうか、それまではとにかく「倒産なんかしたら大変だ」とおののき、必死で動き回って、眠るどころじゃありませんでした。だけど、倒産し…