特集　遺書　死と対峙して知る経営のあるべき姿〜オーム電機の場合
日経ベンチャー　第240号　2004.9.1

脱同族を決意した夫人の願い亡き夫の「魂」を後世に伝えて！　０３年８月、配電盤や配線部品などを製造するオーム電機（静岡県細江町）の会長、戸塚しづ子は、京都へ向かっていた。オムロンで、不採算部門の整理や再建を手掛けていた小栗正實を、「新社長」にスカウトするためだ。　（今日こそ、「うん」と言ってもらわなくては……）　小栗の元に向かうのは、これが５回目だった。　会社は最悪の状況に陥っていた。原因は、００年…