新刊　書評〜『ＩＴ導入は企業を危うくする』
日経情報ストラテジー　第131号　2003.3.1

　ＩＴバブルが崩壊したと言われてから、ＩＴそのものを否定する本がいくつも出版された。本書も広くはそれらに分類されるだろう。ただ、著者は自らの実務経験のなかで見聞きした企業のＩＴ導入失敗例を中心に、原因と対策を丹念に探ろうとしており、得るところは多い。　こうした本を読む際に、認識するべきことがある。企業には大きく分けて２種類あるということだ。まず、ＩＴなしでは事業そのものが成り立たない「ＩＴ装置産業…