Ｆｒｏｍ霞が関　厚労官僚のひとりごと〜もう社会保障改革からは逃れられない
日経ヘルスケア　第262号　2011.8.1

　菅直人首相肝いりの社会保障と税の一体改革案が６月３０日に正式決定した。政権交代から２年。２０１０年度の診療報酬改定が、特段の税収増などがなく厳しい財政事情の中で、１０年ぶりのプラス改定をなし得たことは一つの功績だろう。　だが、診療報酬の引き上げ、すなわち医療費の拡充には、それに見合った財源が必要である。国の財政は、支出に対して税収が４割程度と余裕がなく、やり繰りでしのげるレベルにはない状態だ。　…