Ｉｎｓｉｄｅ　Ｏｕｔｓｉｄｅ〜薬剤師の存在基盤を　揺るがす医療過誤
日経ドラッグインフォメーション　第33号　2000.7.10

　一体どうしたことか。お得意の二重チェックや処方監査によって、薬物療法の安全を守ってきたはずの薬剤師が、連続して“見逃しの三振”を喫している。ほかでもない、薬剤の過量投与の見逃しによって起きた一連の事故のことである。　昨年１２月には癌研究会付属病院で、シスプラチン注射液が通常量の３倍投与され、入院中の胃癌患者が腎機能障害を起こして死亡する事件があった。また、今年５月には東京医科歯科大学付属病院で、…