トレンド・アンド・ニュース　自然保護〜諫早湾干拓事業で逆転判決　高裁は環境権に踏み込めず
日経エコロジー　第73号　2005.7.1

文／藤田香・本誌原告の漁民側の一転敗訴。佐賀地裁の諫早湾干拓事業の工事差し止め仮処分決定に対し、福岡高裁は５月１６日、国の抗告を認めて工事差し止めを取り消す判決を下した。環境権や自然保護権には踏み込めなかった。　「判決には法律学者たちもがっかりした。国を挙げて環境問題に取り組んでいる中、裁判所も環境権を考慮して判断すべきだ」と、上智大学の畠山武道教授（環境法）は残念がる。　昨年８月の佐賀地裁の判決…