今月の５冊〜生命　最初の３０億年　著者＝アンドルー・Ｈ・ノール　訳＝斉藤隆央
日経バイオビジネス　第54号　2005.11.1

　地球生命史４０億年の中で、これまでによく語られてきたのは、カンブリア紀の海で三葉虫などの原始的な動物が産声を上げ、やがて恐竜の時代を経て、人類が生を受けるまでの、わずか５億年分にすぎない。これは、骨格を持つ動物が生まれる以前の時代については化石が少なく、十分な情報がないためだ。従って、生命史についての多くの科学書では、「最初の３０億年」にはあまり触れず、カンブリア爆発と呼ばれる急激な進化により、…