〔学者が斬る・視点争点〕ＥＵ安定の鍵となる労働移動＝中尾将人
エコノミスト　第１０３巻　第９号　通巻４８６３号　2025.4.1

この記事の情報
掲載誌	エコノミスト　第１０３巻　第９号　通巻４８６３号（2025.4.1）
ページ数	2ページ　（全2984字）
形式	PDFファイル形式　（435kb）
雑誌掲載位置	４８〜４９頁目

　共通通貨を持つユーロ圏だが、各国の経済格差は大きい。労働移動はそれを緩和し、安定をもたらす手段となるのか。　◇欠かせない各国間の制度調和　２００９年末に始まったギリシャ危機を発端とするユーロ危機は、南欧諸国からユーロ圏全体へと波及し、ユーロ圏の長期低迷を招いた。危機の一因として指摘されるのが、「ユーロ圏は最適通貨圏ではない」という問題である。　最適通貨圏とは単一の通貨圏として最適な規模の通貨圏を…