〔エコノミストリポート〕中国　「１国２制度」の終焉　香港の自由は「本土並み」に　一地方都市に埋没する運命＝近藤伸二
エコノミスト　第９９巻　第３１号　通巻４７１１号　2021.8.24

　香港は７月１日以降、１９９７年の返還から25年目、すなわち50年間保障された「１国２制度」の前半戦最終年に入った。本来なら前半戦を総括して後半戦の展望に移るべき時期だが、中国が一方的にルールを変えたことで、後半戦を待たずにゲームは終了してしまった。　◇民主化目指した市民　香港はミニ憲法である香港基本法により、「高度な自治」の下、「従来の生活様式」を50年間保持できるとされている。しかし、高度な自…