〔書評〕海外出版事情　中国　欲望の「輪舞」と、その見物人
エコノミスト　第９６巻　第２０号　通巻４５５１号　2018.5.22

『わたしは潘金蓮じゃない』（彩流社、２６００円）などいくつかの作品が邦訳もされている人気作家・劉震雲の新作『吃瓜時代的児女們 』（長江文芸出版社）が大きな話題となっている。タイトルの説明は後まわしにし、その荒筋を紹介する。中国南部の貧困地帯。10万元（約１７０万円）でやっと買った嫁が逃亡する。それを追う勝ち気な妹は、旅先でコールガールとなり、処女と偽り、「処女を抱けば悪運から逃れられる」と占師に言…