〔アートな時間〕美術　京都国立博物館　開館１２０周年記念特別展覧会「国宝」＝石川健次
エコノミスト　第９５巻　第４３号　通巻４５２４号　2017.11.7

この記事の情報
掲載誌	エコノミスト　第９５巻　第４３号　通巻４５２４号（2017.11.7）
ページ数	2ページ　（全1285字）
形式	PDFファイル形式　（807kb）
雑誌掲載位置	１００〜１０１頁目

　◇210件もの国宝を一挙公開　「在りのままの自分」に戻る等伯　日本水墨画史上の最高峰と謳(うた)われる傑作である。桃山時代を生きた長谷川等伯が描いた図版の作品だ。湿潤な大気のなかに、松林が遠く近く見え隠れする。この絵を見た豊臣秀吉は「わしは今まで、何をしてきたのであろうな」とため息をつき、ともに見た徳川家康は「心ならずも多くの者を死なせてしまいました」と人目もはばからずに涙した。　５行目から10…