〔闘論席〕古賀茂明
エコノミスト　第９５巻　第３２号　通巻４５１３号　2017.8.22

　最近、「政治の介入で行政がゆがめられた」という批判をよく耳にする。「内閣人事局ができて、政治家が官僚の人事権を握ったので、官僚が正しいことを言えなくなった」という声も聞く。　しかし、これらの指摘は根本的におかしい。　憲法の規定では、国民が国会議員を選び、その国会が首相（内閣総理大臣）を指名する。その首相が、閣僚を指名して内閣を構成し、内閣が行政をつかさどる。　その行政の現場を担う各省の官僚は、国…