〔ザ・マーケット〕長期金利　０％に近づく＝徳勝礼子
エコノミスト　第９５巻　第２４号　通巻４５０５号　2017.6.20

　10年国債指標金利が、日銀の政策目標として管理されており、また、その政策変更が見込まれない状況では、現状の０〜０・05％を抜けることは難しい。ただ、６月２日の米雇用統計発表後に米国債10年金利が足元のレンジの下限をわずかに下回ったのは注目に値する。「労働力不足にもかかわらず賃金が上昇しない」という現象が米国でも見られ始めており、その理由づけは多々あるにしても、結果としてインフレが鈍化しているのは…