〔アートな時間〕映画 淵に立つ 町工場の一家に巣くう異質な男 家族という人間関係の深く暗い淵=勝田友巳
エコノミスト 第94巻 第41号 通巻4470号 2016.10.11
掲載誌 | エコノミスト 第94巻 第41号 通巻4470号(2016.10.11) |
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ページ数 | 2ページ (全1131字) |
形式 | PDFファイル形式 (1093kb) |
雑誌掲載位置 | 104〜105頁目 |
浅野忠信演じる八坂が現れるや、画面に不穏な空気が漂い始める。住宅街の小さな町工場。白いシャツを一番上のボタンまで留め、口元に笑いを貼り付けながら目は笑わず、妙に丁寧な言葉遣い。指先までピンと伸ばしてお辞儀をする。異質な空気をまとった八坂は、殺人の刑期を終えて刑務所から出てきたばかりだという。 監督は深田晃司。彼の映画からは、根拠のない常識を信じ込み、思考停止に安住する社会への苛立ちが見て取れる。…
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