〔書評〕歴史書の棚 丸山眞男を通して考える「本当の戦後」=井上寿一
エコノミスト 第94巻 第38号 通巻4467号 2016.9.20
| 掲載誌 | エコノミスト 第94巻 第38号 通巻4467号(2016.9.20) |
|---|---|
| ページ数 | 1ページ (全934字) |
| 形式 | PDFファイル形式 (241kb) |
| 雑誌掲載位置 | 60頁目 |
伊東祐吏『丸山眞男の敗北』(講談社選書メチエ、1700円)は、戦後民主主義を主導した進歩派知識人、丸山眞男の言説の読解を通して、戦後史を再考する試みである。 挑発的な標題にもかかわらず、まずは丸山が最も輝いていた時代を描き出す。それは敗戦から約10年間だった。丸山を突き動かしていたのは、戦前・戦時中に失った仲間の「仇討(あだう)ちや弔い合戦の気持ち」だった。冷戦下の「逆コース」に伴う逆風が強く吹…
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