〔書評〕読書日記　社会状況に翻弄された日米の孤児らの軌跡＝与那原恵
エコノミスト　第９３巻　第２８号　通巻４４０５号　2015.7.14

この記事の情報
掲載誌	エコノミスト　第９３巻　第２８号　通巻４４０５号（2015.7.14）
ページ数	1ページ　（全1778字）
形式	PDFファイル形式　（196kb）
雑誌掲載位置	５７頁目

　クリスティナ・ベイカー・クライン『孤児列車』（作品社、２５９２円）を読む。米国で１８５４年から１９２９年まで、孤児たちを列車に乗せ、各地の「里親」に託した史実に基づく小説である。　19世紀初頭から米国都市部では多くの移民たちが失業、貧困、住宅不足に悩まされていた。約３万人もの家のない子供がいたといい、彼らに「帰る家」を与えようと宣教師、児童援護協会などが始めたプログラムが「孤児列車」である。　子…