〔ザ・マーケット〕為替　ドルは数年ぶり高値圏＝佐々木融
エコノミスト　第９２巻　第４５号　通巻４３６７号　2014.10.21

　９月の米経済は非農業部門雇用者数が増加し、失業率が低下した。米連邦準備制度理事会（ＦＲＢ）による利上げ期待が高まり、２年金利が上昇してドルを押し上げた。ドルは対円、対ユーロで数年ぶりの高値まで上昇している。　しかし、米雇用統計を詳細に見ると、時間当たり賃金の伸びは前年比２％程度にとどまっており、実質的な賃金の伸びはほぼ横ばいである。また、ＦＲＢが重視するコアＰＣＥ（個人消費支出から食品、エネルギ…