〔書評〕海外出版事情　アメリカ　第２次ブーム到来、オーディオブック市場＝冷泉彰彦
エコノミスト　第９２巻　第４２号　通巻４３６４号　2014.10.7

　20世紀のカセットテープやＣＤの時代から、米国の書籍市場では「オーディオブック」というものが存在した。有名な俳優や、場合によっては著者自身が朗読したものなどを聞いて、本を読むのと同じだけの情報を得るという商品だ。　もちろん、朗読版は活字に比べれば音声を扱う分だけ高額となる。また、そのために一定以上の部数が見込まれる作品でしか成立しないビジネスであり、対象はベストセラー作品や、世評の確立した古典に…