〔グローバルマネー〕「出口」へ急いでも遅れても……
エコノミスト　第９２巻　第３０号　通巻４３５２号　2014.7.8

　金融危機後、程度の差やタイミングの違いこそあれ、主要中央銀行は一様に緩和政策を採ってきたが、いよいよ政策の方向性の相違が明らかとなってきた。　超緩和政策からの脱却プロセス（出口戦略）に最も早く取り組んだのは米連邦準備制度理事会（ＦＲＢ）だ。当初は新興国からの資金流出など市場を混乱させたものの、年初以来、毎月の国債購入額を機械的に減額しているのは周知の通りだ。他方で、雇用の質への疑問（正規雇用が伸…