〔書評〕『なぜ２人のトップは自死を選んだのか　ＪＲ北海道、腐食の系譜』　評者・浜矩子
エコノミスト　第９２巻　第２５号　通巻４３４７号　2014.6.3

　◇吉野次郎著（『日経ビジネス』記者）　日経BP社　1620円　◇丹念な取材で暴かれる“不思議の国”の全容　社会派ドラマなら、抜群に面白い。テレビ向けにシリーズ化すれば、かの「倍返し」の半沢直樹よりも高い視聴率が取れそうだ。　だが、これはフィクションではない。ドキュメンタリーだ。取材記録である。地味なタッチで書き連ねられ、暴かれていくＪＲ北海道の朽ち果てた内実。この物語を語るのに、何の演出も、脚色…