〔アートな時間〕美術　石田徹也展〜ノート、夢のしるし〜　あふれる笑いやユーモア　顔をのぞかせる底知れぬ深淵＝石川健次
エコノミスト　第９２巻　第２２号　通巻４３４４号　2014.5.13

この記事の情報
掲載誌	エコノミスト　第９２巻　第２２号　通巻４３４４号（2014.5.13）
ページ数	2ページ　（全1302字）
形式	PDFファイル形式　（315kb）
雑誌掲載位置	６８〜６９頁目

　図版に挙げた作品から小稿を始めよう。《燃料補給のような食事》である。この作品に触れて、画家の石田徹也はこう記している。「牛丼屋で食事をするとき、自分がまるでガソリンスタンドに入っていく車のように感じる」。初めてこの作品を見た時、整然と食事をする、否、燃料を口に注いでもらう人を滑(こっ)稽(けい)と笑ったのもつかの間、「これって自分？」と気づいて私は沈黙した。　社会に渦巻き、はびこる不安や矛盾に目…