〔終の住みかを考える〕／２９　介護が必要になったら（８）　認知症＝小谷みどり
エコノミスト　第９２巻　第１９号　通巻４３４１号　2014.4.15

　日本人が強く恐れる病気の一つに認知症がある。筆者の昨年の調査では、50歳以上の男女の77.5％が「認知症になることが不安だ」と回答している。「家族に迷惑をかけるから」というのが大きな理由だ。　認知症が進行すると、日常生活や社会生活を自力で営めなくなるだけでなく、暴言を吐いたり暴力を振るったり、徘徊(はいかい)して行方不明になったり、妄想で大騒ぎしたりすることがある。　こうした症状ゆえの不幸な事故…