〔東奔政走〕民主主義を逸脱した「特定秘密保護法」＝小松浩
エコノミスト　第９１巻　第５７号　通巻４３２２号　2013.12.24

　特定秘密保護法の成立で臨時国会は閉幕した。法案に賛同する側からは、国家の安全と秘密保護の関係をめぐって「論点ずらし」とも言えるような論法が大手を振ってまかり通った。乏しい審議の末の強行採決に批判が出ると、今度は「民主主義とは多数決だ」として、政府与党の力任せの政治手法を擁護する乱暴な論まで飛び出した。　就任以来、経済政策を中心に安全運転に徹するとしてきた安倍晋三政権だが、政権発足１年を前に、民主…