〔短期集中連載〕とことん考える消費税／２０　成長阻害が計量経済モデルで明らかだ＝宍戸駿太郎
エコノミスト　第９０巻　第３０号　通巻４２３８号　2012.7.17

　現行の消費税５％を２０１４年に８％、15年に10％へ段階的に引き上げる消費増税法が６月26日、衆議院で民主、自民、公明の賛成多数で可決した。野田佳彦政権は、東日本大震災を契機として、膨大な復興財政需要と慢性化した財政赤字の拡大傾向に終止符を打ち、さらに今後予想される少子高齢化のための社会保障費確保のためと称している。　しかし、20年間に及ぶ慢性デフレと東日本大震災の人的・物的被害、さらに加えて欧…