〔特集〕世界経済総崩れ　欧州　雇用、設備投資、政府債務の「３つの過剰」が景気回復阻む＝吉田健一郎
エコノミスト　第９０巻　第３０号　通巻４２３８号　2012.7.17

　ユーロ圏経済は依然として厳しい局面が続いている。国際通貨基金（ＩＭＦ）が４月に発表した主要国の２０１２年の実質国内総生産（ＧＤＰ）成長率見通しでは、ユーロ圏はマイナス０・３％と主要先進国（Ｇ７）のなかでは唯一マイナス成長が予想されている。ユーロ圏ソブリン（国家の信用）危機の影響が、成長率予測に反映された結果と言えよう。　今、欧州は長期的な景気低迷の入り口に立っているのか、あるいは近い将来に力強い…