作家・五木寛之　人生に輝きをもたらす捨てないという選択
プレジデント　2022.6.3号　2022.6.3

そんなに簡単に捨てられない　ぼくはこれまで一貫して、モノを捨てないという生き方を続けてきました。それは、戦中戦後の物資が乏しい時代を生きてきた人間の切ない後遺症なのかもしれません。モノというのはいったん手にしたら、そこには自分の命が託される、どうしてもそんなふうに思ってしまうので、そんなに簡単に捨てられない、捨てようという気にならないのです。　ですから、ぼくの部屋の隅には、いまでは着なくなった服や…