本の時間　新刊書評○ジョナサン・クレーリー　著『２４／７　眠らない社会』
プレジデント　2015.5.4号　2015.5.4

　日の出とともに目覚め、働き始め、日暮れには労働を終えて、夜は眠る。近代の工業化は、こうした自然の周期に従った暮らし方のサイクルを変えてしまった。最後に残された領域は農業ぐらいかもしれない。『２４／７』という本書のタイトルは、二一世紀の資本主義が「連続的な労働と消費のため」に睡眠を奪い、人間を「二四時間週七日単位」という陰影のない社会に置くようになったことへの告発である。　テロの容疑者に対する代表…