山下泰裕の武士道のこころ　二八〜「勝たねば」が招く敗北
日経ベンチャー　第286号　2008.7.1

　オリンピック代表の座を懸けた今年の全日本選手権の決勝戦。石井慧選手が試合開始直後、鈴木桂治選手に大内刈りを決め、序盤、優位に立ちました。しかし、その後、石井選手は逃げに回った試合運びで反則を重ねた結果、終盤に警告を受け、苦戦。辛くも勝ったものの、後味の悪さを残したようでした。　守りの戦術をとること自体は、責められるべきことではありません。勝負ごとは攻め一辺倒ではうまくいかないものです。　ただ、守…