お家の継承　第１２話〜「お家の継承」第一二話　果てしない父子の暗闘　島津家五代の相克（下）
日経ベンチャー　第240号　2004.9.1

この記事の情報
掲載誌	日経ベンチャー　第240号（2004.9.1）
ページ数	4ページ　（全4165字）
形式	PDFファイル形式　（149kb）
雑誌掲載位置	110〜113ページ目

　江戸時代後期、薩摩藩では革新派と保守派との対立が深刻の度を深めていた。実権を握る革新派、島津重豪（しげひで）に対して、彼の孫で藩主である保守派の島津斉興（なりおき）は、祖父の側近、調所（ずしょ）笑左衛門を密かに自陣営に引き込むという離れ業を演じてみせた。斉興には二つの構想があった。一　薩摩藩の財政運営を健全なものに安定させる二　自分の後継者に、次男の久光を据える　この構想の実現には、相当な年月と…