医師が語る　処方せんの裏側〜かぜの妊婦への処方　　β刺激剤で早産防ぐ
日経ドラッグインフォメーション　第99号　2006.1.1

　妊娠第２８週の江川寛子さん（仮名）は、切羽詰まった様子で診察室に入ってきた。「かぜをひいてしまったようで、昨日の夜に少し熱が上がり、咳も止まらずよく眠れなかったんです」。症状からインフルエンザは否定できたが、咽頭部の軽い炎症所見に加え、軽度の子宮収縮が見られた。咳をするたびに腹圧が上昇し、子宮が収縮したようだ。　江川さんはかぜによる胎児への影響を大変心配していたが、妊娠中でもかぜはある程度避けら…