記者の眼〜１％の「当たり」より９９％の「はずれ」を直視せよ
日経コンストラクション　第725号　2019.12.9

　２０１９年１０月の台風１９号では、実際の浸水範囲が浸水想定区域図とほぼ一致したケースが数多く見られた。この結果から、浸水は予測されたものだとして、避難せずに被害に遭った人に対し、自己責任だと断じる声も聞かれる。　確かに、浸水したエリアだけに着目すれば、浸水想定区域図はかなりの割合で当たっていた。ただ、そもそもこの図は、１つの河川に氾濫箇所を多数設定し、それぞれの氾濫で想定される浸水範囲を全て重ね…