谷島宣之の眼〜「真の知恵」に適正な対価を
日経コンピュータ　第684号　2007.8.6

　１９８９年１２月、筆者は「情報システムの価格」に関して取材を重ねていた。本誌に特集記事を書くためである。８９年は、大手コンピュータ・メーカーによる「１円入札」が起き、新聞がこれをたたいた年であった。新聞が書いた後に「メーカーはけしからん」と雑誌で書いても芸がない。そこで、システム開発にかかる費用はどう決まるのか、改めて調べようと思い立った。　当時の取材で記憶に残っているのは、「本当の知恵を出す仕…